平成19年度の相転移・ソフトマターフォーラム


  • 日時: 3月4日(火) 14:00から
    場所: 理学研究科6号館303号室
    講師: 内田就也 氏 (東北大学大学院理学研究科)
    タイトル: ナノ流動カーペットのパターン動力学
    要旨:
    水中微生物の泳動機構である鞭毛や繊毛などの回転モーターは 流体力学相互作用による整列や同期によって協同的に推進力を 生み出すと考えられ、ナノ流動デバイスへの応用も図られている。 その最小モデルとして我々は、平面基盤上の剛体回転モーターの 多体動力学を数値的に解析した。この系は整列相転移に加え、 らせん波、局在同期パルスなどの非線形パターンを示す。

  • 日時:1月29日(火)14:00から
    場所:理学研究科6号館303講義室
    講師:福田順一氏(産総研)
    タイトル:「凹凸のある表面よって誘起されるネマチック液晶のアンカリング」
    要旨:
    表面の凹凸によって液晶の弾性変形が誘起されることが, 液晶の表面アンカリングの起源の1つであると考えられている. ネマチック液晶のそのようなアンカリングについて, 解析的議論(過去の理論の批判的再検討), および数値計算(「正しい」理論の数値的検証)による研究を紹介する.

  • 日時:12月18日(火)13:30から
    場所:理学研究科6号館202講義室
    講師:谷口貴志氏(山形大学理工学研究科)
    タイトル:「内部自由度を有する膜の物理」
    要旨:
    赤血球に代表される脂質二重膜は、ある温度領域においては 構成分子が膜上を自由に拡散する流体膜 (Fluid Membrane)である。 この流体膜、特に、その閉曲面体であるベシクル (Vesicle) が 呈する多様な形態は一見複雑な機構で決定されているように思えるが、 膜を一様な性質を持った弾性面であるとした曲げ弾性モデル( Bending Elastic Model)によってかなり説明できることが70年代以降の研究に よって明らかにされてきた。  近年、膜の内部自由度が膜変形に及ぼす影響に興味が注がれてきて いる。これは、近年の実験手法の向上により、人工的に作られた モデル膜の内部自由度と膜の形とのカップリングによる膜変形 ダイナミクスが直接観察できるようになってきたためである。  本講演では、膜内自由度と膜の物性が関係する問題として、 (1)「流体膜に高分子がグラフとした膜の有効曲げ弾性定数」と (2)「二成分流体膜の膜変形と膜上相分離現象」 を取り上げ、これらについての最近の実験の結果ともに、(1)では、 膜面上にグラフトした高分子鎖の配位が、膜により制限されること によるエントロピーの増減を考慮し、有効曲げ弾性定数を導出した 結果について紹介する。また、(2)では膜上相分離と膜変形の数値 シミュレーションの結果について以前の結果と最近の計算の結果を 合わせて紹介する。

  • 日時: 12月11日(火)13:30から
    場所: 理学研究科6号館303講義室
    講師: 高西陽一氏(京都大学理学研究科)
    タイトル:「棒状液晶による屈曲型液晶相の膨潤効果 〜ナノ相分離とB4相の安定化〜」
  • 日時:11月26日(月) 16:30から
    場所:理学研究科6号館303講義室
    講師:和田浩史氏(基礎物理学研究所)
    タイトル:Micro-biomechanics: 微生物のかたちと運動
    要旨:
    バクテリアを代表例とする微生物たちにとって水中の移動は我々のそれとは まったく異なる。流体のレイノルズ数は非常に小さく、粘性散逸と細胞の弾性 との動的結合が力学を決定する。近年、スピロプラズマと呼ばれるらせん状の 形をしたバクテリアの詳細かつ新規な運動様式が顕微鏡観測によって明らかに なったので、その物理的メカニズムを流体力学モデルによって理解する。

  • 日時: 10月10日(水) 16:00から
    場所: 理学研究科6号館303号室
    講演者: Professor Monica Olvera de la Cruz (Northwestern University)
    題目:Ion Absorption at Liquid-Liquid Interfaces and Charged Patterned Membranes: Thermodynamics and Structure
    要旨:
    We construct a mean-field formulation of the thermodynamics of ion solvation in immiscible polar binary mixtures. Assuming an equilibrium planar interface separating two semi-infinite regions of different constant dielectric medium, we study the electrostatic phenomenon of differential absorption of ions at the interface. In our framework, we relate both the bulk ion densities in the two phases and the distribution potential across the interface to the fundamental Born free energy of ion polarization. We further illustrate this selective ion absorption phenomenon in respective examples of fully permeable membranes that are neutral, negative, or positive in charge polarity. We construct a patterned surface by adsorption of incompatible oppositely charged molecules. We determine the degree of ion condensation for a surface patterned with stripes of alternating charge. The competition between adsorbed ion-ion and adsorbed ion-surface interactions leads to the formation of different strongly correlated structures of condensed ions in the low temperature limit. We consider two types of arrangements which have lowest energy at low temperatures: (1) ions adsorbed on the stripes center lines and (2) arrays of dipoles at the interfaces between charged domains. We determine the conditions for the appearance of more complex ionic patterns by considering simple perturbations of the stripe-centered and dipolar array structures.

  • 日時:5 月 8 日(火) 13:30〜
    場所:物理学教室439号室 (理学部5号館)
    題目:高分子薄膜ガラスのダイナミクスと流動誘起結晶化
    講演者: 金谷 利治 氏 (京都大学化学研究所)
    要旨:
    本講演では2つのトピックスについて話をする。1つ目は 「高分子薄膜ガラスのダイナミクス」についてである。 高分子薄膜がバルクとは異なる異常な物性を示すことは知られているが、 本研究ではガラス転移およびガラス状態におけるダイナミクスを 非弾性中性子散乱で調べ、その異常性の原因を動的観点から調べた。 2つ目は高分子の流動場における結晶化過程についての研究である。 高分子を流動場で結晶化させると、結晶化速度の加速とシシケバブ構造に 代表される特異な異方的構造が形成される。それらの構造形成機構を 量子ビームを用いてナノメートルからマイクロメートルの広い空間 スケールで調べた。

  • 日時:4 月 25 日(火) 16:30
    場所:物理学教室519号室 (理学部5号館)
    題目:からみあい描像による高分子の分子シミュレーション
    講演者: 増渕 雄一 氏 (京都大学化学研究所)
    要旨:
    高分子の濃度が高く分子量も大きな高分子液体は液体であるが弾性を示す.これを説明するために液体内部の擬似架橋として”からみあい”の考え方が便宜的に導入され,その擬似架橋のダイナミクスを記述するために管模型に代表される分子描像理論が開発されてきている.ここでは擬似架橋としてのからみあいダイナミクスを記述するモデルの現状と課題を述べる.さらにからみあいそのもののミクロな正体に関する最近の研究を紹介する.
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